尿路結石について
尿路結石は、腎臓で生成された尿が通過する道（腎盂、腎杯、尿管、膀胱、尿道）に石ができることです。この病気の発症には食生活が深く関係しており、特に日本人ではシュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものがが最も多く見られます。これは、日常的にシュウ酸を多く摂取している日本の食文化に起因しています。結石が尿管に詰まると、尿管が動くたびに激しい脇腹の痛みを引き起こし、結石が尿の流れを妨げることで尿路感染症や腎機能の障害を引き起こすことがあります。
こんな場合はご相談ください
- 人間ドックなどで尿路結石を指摘された方
- 健康診断等で尿潜血を指摘された方
- わき腹の痛みや血尿など何かしらの異常が現れた方
原因
尿路結石の原因として、かつてはカルシウムが主な要因と考えられていましたが、現在ではシュウ酸の方が結石を形成しやすいことが明らかになっています。シュウ酸は体内でも生成されますが、食物や飲み物を通じて外部からも摂取されます。シュウ酸を豊富に含む代表的な食品には、ホウレン草をはじめ、コーヒー、紅茶、コーラなどの嗜好品の飲料があり、これらにも比較的多くのシュウ酸が含まれています。そのため、シュウ酸を多く含む食品を頻繁に摂取すると、結石を引き起こしやすくなる可能性があります。
症状
腎結石
鈍痛が感じられることがありますが、症状が全く現れない場合もあります。
尿管結石
結石がある側のわき腹、背中、または腹部に激しい痛みが生じることがあり、さらに血尿や吐き気を伴うこともあります。
膀胱結石
頻繁にトイレに行きたくなる、または残尿感を感じることがあります。
尿道結石
排尿時に強い痛みを感じたり、血尿や尿が出にくくなる症状が現れることがあります。
治療方法
尿路結石の治療方法は、結石の大きさや症状に応じて異なります。主な治療法には、経過観察、薬物療法、体外衝撃波結石破砕術（ESWL）などの専用機器を使用して体内の結石を砕く方法、または手術によって結石を取り除く方法があります。さらに、結石が自然に尿として排出されることもあります。自然排石が期待できるのは、5mm未満の小さな結石です。この場合、飲水や運動などによる経過観察が行われるほか、結石を排出しやすくする薬剤を使うこともあります。逆に、10mm以上の大きな結石では自然排石はほとんど期待できないため、手術で結石を小さく砕いたり取り除いたりする治療が行われます。