梅毒について
梅毒は「トレポネーマ・パリダム」という細菌によって引き起こされる感染症です。性行為による粘膜接触や皮膚の小さな傷を通じて感染します。感染すると、性器、肛門、口などにしこりができたり、全身に発疹が現れることがあります。梅毒の特徴的な点は、症状が一時的に消えることがあり、そのため自然に治ったと誤解されて発見が遅れることがある点です。検査や治療が遅れると、脳や心臓に深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期に発見し、適切な診断と治療を受けることが非常に重要です。
症状
梅毒は感染後約1カ月間、細菌が潜伏すると言われており、この期間中に症状が現れる場所や内容は経過時間によって異なります(潜伏期間には個人差があります)。最初に症状が現れる第1期では、感染から約1カ月後に、感染部位(性器、肛門、口など)にできもの、しこり、ただれなどが現れます。治療せずとも数週間で症状は自然に治まるため、完治したと誤解しないことが重要です。次に、第2期では感染から約3カ月後に、手のひらや足の裏を含む全身に発疹が現れます。第2期の症状も数週間から数カ月で消えることがありますが、何らかの症状が現れた場合は早期に受診することをおすすめします。梅毒は症状が現れないこともありますが、皮膚や内臓に静かに進行する病変があり、神経に梅毒が潜伏すると数年から数十年後に心臓や血管、神経に異常が現れることがあります。感染しているかどうかは検査を受けなければわからないため、気になる症状があれば早めに検査を受けましょう。
治療方法
梅毒の治療には抗菌薬が効果的ですが、菌を死滅させることはできても、すでに臓器などに生じた障害を元に戻すことはできません。そのため、早期の治療が非常に重要です。梅毒に感染していることが判明した場合は、必ずパートナーや性交渉を持った人にも検査を受けてもらい、もし感染していれば治療を行うことが大切です。