MIST(ミニマルインベーシブ
サージカルセラフィー)について
従来の前立腺レーザー治療よりも
低侵襲な外科的治療
短い
手術時間で男性機能を保持します
MISTは現状の前立腺レーザー治療よりも低侵襲であり、手術時間も短い治療方法です。男性機能の温存が可能な点も、MISTの大きなメリットです。
当院の低侵襲外科的治療MIST
経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL=Prostatic urethral lift)
低侵襲外科的治療の一種であり、2022年4月より保険診療が認可された新しい手術の方法です。院長は2022年4月に導入し、神奈川県で最初に手術を導入しました。インプラントを挿入することで前立腺肥大部分の尿道を吊り上げるため、切開することなく尿道のスペースを広げます。尿道から内視鏡を挿入して確認し、インプラントを4~6ヵ所に留置することで前立腺を内側から圧迫して、尿道の内腔を広げる方法です。この手術のメリットは安全、かつ男性機能障害が少ないことがあげられます。ただし、治療効果に制限があり、前立腺が100㎖を超える、膀胱内突出のある前立腺肥大には向かないなどの短所もあります。手術時間は約20~30分であり、術後1日目で尿道カテーテルを抜去します。
経尿道的水蒸気治療
(WAVE=water vapor energy)
前立腺治療の一種であり、2022年9月に保険診療が認可された新しい手術の方法です。術式としては、尿道から前立腺に内視鏡を挿入して確認し、患部に9秒間103℃の水蒸気を噴霧して前立腺組織を70℃程度まで上げて、組織を壊死させる方法です。従来の温熱療法は効果にムラが生じていましたが、経尿道的水蒸気治療では水蒸気を利用するため対流によるムラの少ない治療ができます。低侵襲であり、尿道粘膜や性機能温存も可能な特徴を持ちます。手術後2週間から遅くとも3ヵ月後には、治療による排尿状態の改善が期待できます。手術は10分間程(前立腺の大きさにより手術時間は変わります)です。術後は2~3日尿道カテーテルを留置します。1週間ほど尿道カテーテルを挿入する場合もあります。
経尿道的水蒸気治療の当院の手術成績
MIST治療の流れ
- 1予約と初診
- 手術を希望されるかたは、外来のご予約からお願いしています。なお、紹介状は必須ではありませんが、お持ちのかたは必ず初診時にご持参ください。問診や診療を行って症状・病歴など確認し、必要な検査(PSA採血、尿検査、尿流測定、超音波検査など)を実施いたします。また、前立腺サイズや形態を確認して、適切な手術方法を判断するため、再診時に、膀胱尿道ファイバー検査を行います。
- 2手術前の説明と同意
- 手術を行うことが確定しましたら、日時を決定し、医師より詳細な説明(インフォームドコンセント)をさせていただきます。医師から手術内容、リスク、合併症など説明させていただき、患者さんがご納得いただいた場合は手術の同意書へ署名をお願いしています。当日の手術の流れや術前の注意事項などは、看護師より説明いたします。
- 3手術当日
- 手術当日は、指定時刻に当院までお越しください。回復室にご案内しますので、手術衣に着替えていただいた後、必要な準備などを行って手術を実施いたします。
- 4手術の実施
- 準備が整いましたら手術を行います。手術時間は、前立腺の大きさによって変わります。手術後尿道カテーテルを挿入し手術を終了します。医師の判断でカテーテルは挿入しない場合もあります。
- 5術後のケア
- 回復室に移動し、麻酔が切れるまでの一定時間は安静にしていただきます。血圧や酸素飽和度、血尿など看護師が確認したうえで、患者さんの体調が安定しているようであればご帰宅いただきます。
- 6手術当日のケア
- ご帰宅後は安静にしていただくことを推奨しています。当院は入院設備がありませんが、提携ホテルの紹介は可能ですので遠方からお越しの場合はお気軽にご相談ください。手術当日は夕方から夜間に当院の医師から連絡を差し上げますので、状態をお伝えください。
- 7再診とフォローアップ
- 手術翌日にもご来院いただき、診察や採血を行います。術後1週間程度でご来院いただき、状態を確認させていただきます。経尿道的前立腺吊り上げ術は手術翌日、経尿道的水蒸気治療は術後約2~3日、場合によって1週間で尿道カテーテルを抜去します。血尿は術後2週間から1ヵ月ほど続きますが、自然に消失します。以降、定期的にフォローアップをして、再発や合併症を防ぐためチェックさせていただきます。
よくあるご質問
どのような患者さんが手術の適応になりますか?
- 薬物治療を行っても効果がないかた
- 合併症を持っているため安全に手術ができないかた
- 長期的にカテーテル留置をしていて抜去を希望されるかた
- 男性機能の保持を希望されるかた
どのような合併症がありますか?
- 肉眼的血尿:一般的には1ヵ月ほどで自然に止まります。
- 尿路感染症:術後に熱が上がるため、抗生剤の点滴を行う場合があります。
- 尿閉:術後に尿の出が悪くなり、一時的に尿道カテーテルの挿入、導尿など必要な場合があります。
- 前立腺肥大症の再発:尿の出が悪くなり、再度手術が必要な場合があります。
手術の後はいつから仕事はできますか?
事務仕事、重いものなどを持つお仕事ともに手術翌日より可能ですが、カテーテル抜去後にお仕事をしていただくのをおすすめいたします。
手術の後はいつから運動、アルコール摂取、性生活はできますか?
運動、アルコール摂取は術後1週間たてば制限はありません。性生活は1ヵ月後より可能です。
注意点・リスク・副作用
・術後感染の可能性があるため、術後のケアが重要です。
・最小限の侵襲を目的とした手術でも、出血のリスクは存在します。手術中や術後に出血が発生する可能性があります。
・特定の患者や状態においては、合併症が発生する可能性があります。これには、血栓形成や呼吸器系の問題などが含まれます。
・最小限の侵襲手術でも、回復期間には個人差があります。期待された早期回復が得られない場合もあるため、患者ごとの状態に応じたフォローが必要です。