前立腺肥大症の手術の3つ目として、㉒、㉓回目は「HoLEP(ホーレップ=ホルミウムレーザー前立腺核出術)」を取り上げました。今回はその手術のメリット&デメリットのデメリットを知ってもらいたいと思います。
客観的にみて最も安全で効果の出るHoLEPにもデメリットはあります。そのデメリットは「手術手技の難しさ」。それは術者がきちっと技術を習得しているかどうかになります。技術を習得していない医師がこの手術を行うと、患者さんは「尿失禁」になってしまう、などの問題が起きかねないのです。
手術の失敗で尿失禁が起きてしまうと、生活の質が落ちてしまいます。そういう患者さんを絶対に作ってはいけない。HoLEPのメリットを生かし、患者さんに快適な生活に戻ってもらうようにするのが私たち泌尿器科医の使命です。
そのためには、手術の上手な泌尿器科医を選択するのが重要。そのために「泌尿器科医の選び方」をまずは手術件数が多い施設を選択するのは一つの案かもしれません。
しかし、前立腺肥大症の手術を行っている病院や医師は、手術件数を公表していますが、手術成績が良いかどうかは出していません。どこで手術を受けるのが良いか、受診している泌尿器科の主治医に相談してみるべきです。ただ、主治医に紹介されたら100%間違いがないかと言われると、それは言い切れないところがあります。手術を執刀する医師との相性もあります。手術について自分の求める点や疑問点を整理し、医師と良く相談することをお勧めします。
日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医 加藤忍