最近の前立腺肥大症手術に思うこと|かとう前立腺クリニック東京|東京日本橋の泌尿器科・前立腺専門クリニック

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最近の前立腺肥大症手術に思うこと

日本橋にてクリニックを開業し、約8か月が経過しました。以前に開業した神奈川県平塚市とは、患者層に明らかな違いがあることを日々実感しています。

平塚では、主に高齢の患者さんが排尿障害の悪化を契機に手術へと進むケースが多いのに対し、日本橋では比較的若い年齢層の患者さんの受診が目立ちます。これは、都心部では就労人口が多く、職場の近くで泌尿器科診療を求めるニーズが高いためと考えられます。

こうした若年層の患者さんの多くは、QOL(生活の質)や性機能の温存を重視し、低侵襲治療(Minimally Invasive Surgical Therapy: MIST)を希望されます。特に、経尿道的水蒸気治療(WAVE)経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL)といった術式への関心が高まっています。

しかしながら、本邦の保険診療制度においては、MISTは「従来の手術が困難な合併症を有する患者」に限定されており、性機能温存を主目的とした若年の健常者に対する適応は認められていません。そのため、当院ではこうした患者さんには自由診療での対応を説明せざるを得ない状況が続いています。

MISTに使用されるデバイスは高額であり、術後の経過観察も含めて一定の費用設定が不可欠です。そのため、患者さんの経済的負担も大きく、自由診療での手術を選択される方は限られます。

こうした状況は、私にとってMIST導入の大きなハードルとなっており、本来この手術が最も適している患者さんに十分な治療を提供できないというジレンマを感じざるを得ません。近年、本邦でもMISTの適応を海外同様に見直す動きもみられますが、保険適用の拡大が一日も早く進むことを願ってやみません。

当院では現在、前立腺肥大症手術を希望される患者さんに対し、十分な説明時間とホスピタリティを確保するため、完全予約制とし、受付時間は午前10時から午後4時までに限定し、1日あたりの診療人数を制限しています。毎週水曜日を原則手術日とし、レーザーを中心とした前立腺手術を5〜6件実施しています。術後尿道留置カテーテルは翌日から翌々日には抜去し、患者様が早期に社会復帰できる様対応しています。

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