PUL(Prostatic Urethral Lift)は、前立腺肥大症に対するMIST(低侵襲外科治療)の一つです。UroLift(ウロリフト)という名称でも知られています。
PULの大きな特徴は、肥大した前立腺組織を切除したり蒸散したりせず、インプラントを使用して尿道を広げることです。
PULはどのように尿道を広げるのでしょうか?
前立腺肥大症では、肥大した前立腺が尿道を左右から圧迫することで尿が出にくくなります。
PULでは、専用の器具を尿道から挿入し、小さなインプラントを留置します。
インプラントによって肥大した前立腺組織を左右に圧排することで、尿の通り道を広げます。
PULのメリット
前立腺組織を切除しないことがPULの大きな特徴です。
また、射精機能への影響が比較的少ないことも特徴の一つです。
そのため、排尿症状を改善したい一方で、性機能への影響をできるだけ少なくしたい患者さんでは、治療選択肢の一つになります。
PULにも限界があります
PULはすべての前立腺肥大症に適しているわけではありません。
前立腺の大きさや形態、閉塞の程度などによっては、十分な効果が期待できないことがあります。
また、長期的には追加治療が必要になる患者さんもいます。
したがって、「切らない手術だから一番良い」と考えるのではなく、PULのメリットと限界を理解したうえで治療を選択することが重要です。
当院では前立腺体積、前立腺の形態、尿流、残尿量、年齢、全身状態、患者さんの希望などを評価し、PUL、WAVE、HoLEP、CVPなどから適切な治療方法を検討しています。
文責 日本泌尿器科学会専門医 かとう前立腺クリニック東京院長 藤田医科大学腎泌尿器外科客員教授 加藤忍